シャギリのギーヤー
2015年 10月 06日

ギリシャの島でよく出逢う動物...
といえば、なんと言っても『ヤギ』だろう。
そのほとんどは飼育されているもので、島のあちこちに放牧されている。
そして、そこから逃げ出して野生化したものも少なくない。
普段は険しい岩場の斜面で草を食んでいたり、日光浴を楽しんでいたりするのだけれど...
たまに群れて道路へと出てきては、自由気ままに歩き回ってしまう。
最初に見たときは驚いたけれど、島ではごくあたりまえの光景だ。
ヤギはとても臆病な動物で、忍び足でそ〜っと近づこうとしても、すぐに気配を察して逃げてしまう。
ところが、これがクルマだと傍を通ってもさっぱり警戒しないから不思議だ。
島の美しい景色に見とれてわき見運転なんてしていると、うっかり轢きかねないから要注意!。
なぜ島ではたくさんのヤギが飼われているかということだけど、ひとことで言えば「過酷な環境に強い」から。
地中海式気候区に属するエーゲ海の島々はとても乾燥していて、また夏の暑さは相当なもの。
牛などはこうした環境には耐えられないし、そもそもその餌となる牧草が枯れてしまう。
ヤギたちは粗食だけれど、ギリシャ人の食卓にいろんな食材を供給してくれている。
まずは、そのミルク。
国は違うけれど、アルプスの少女ハイジよろしく、そのまま飲用される。
ミルクの一部は、チーズへと加工される。
ギリシャ名産、フェタチーズだ。
日本ではほとんど馴染みが無いけれど、ギリシャ料理には欠かせない食材だ。
そして、これまた馴染みが無いのだけれど...
その肉。
魚介類以外では、島で自給できる貴重で良質なタンパク源だ。
それはさておき...
海が見渡せる島の丘に登れば、どこからともなく
「カランカラン...♪」
という軽やかな音が、潮風に乗って聞こえてくる。
ヤギたちが首に着けているベルの音だ。
草の上に寝転んで、エーゲ海の青い空と碧い海を眺めながら、その優しい音色を聴いていると...
いつの間にか、夢の中へと誘われてしまっている。
そんな素朴な子守唄を聴きながらシエスタを楽しむのが、私にとって至福の時間だ。
道路を大群に占拠されるとしばらくは動けない
そうそう、草の上でシエスタするときは気をつけて
ヤギの「落としもの」がた〜くさんだから...


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by photographerasuha
| 2015-10-06 23:41