影踏み遊び
2012年 11月 08日

長いフライトを経て、アテネ空港に到着。
飛行機を降り、見慣れたターミナルを歩いていると、
「あー、来たな~」と実感する。
だけど、それと同じくらい
「あー、帰ってきたな~」
という、まるで田舎に帰省したかのような懐かしさも感じる。
私にとってギリシャというところは、そんな場所になってしまった。
10月は向こうの感覚では、もう半ばオフシーズン。
といっても、島にはまだまだ夏が居座っていて、日中はお陽さまがこれでもかと言わんばかりに力強く降り注ぐ。
数ある美しいビーチは大勢の観光客で賑わっていて、とてもオフシーズンなんて雰囲気ではない。
けれども、島を巡ればオリーブやブドウ、ザクロにイチジクなどが枝もたわわに実をつけている。
それは、紛れも無くここに秋が到来したという足跡だ。
10月の声を聞くと、気の早いショップやタベルナ、ホテルやヴィラはさっさと冬支度にとりかかる。
日一日とクローズする店が増え、月末にはすっかり様変わりしてしまう。
同時にヨーロッパ各地からのチャーター便も日毎に減り、あれだけ賑わったビーチも休息の時を迎える。
こうして、シエスタの町の短い秋は小走りに通り過ぎて、完全なオフシーズンとなる冬がやってくる。
わずかひと月の間に、夏から秋、秋から冬へ。
まるで "影踏み遊び" のように、季節は移り変わってゆく。
夏は多くの人が魅せられた美しいビーチ
今は波が砂を洗う音だけが響く


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by photographerasuha
| 2012-11-08 20:51