◯◯◯食べちゃった!
2015年 10月 17日
「この島の◯◯◯はスペシャルよっ☆」
丘の上の小さなカフェ。
ランチに新鮮な島の野菜と大きなフェタチーズが乗ったグリークサラダをいただいている時のこと。
ウエイトレスが、こう切り出してきた。
「す〜っごくクリーミーでとろけちゃうわよ。他の島のとは全然違うんだからっ。是非、試してみてね♪」
その自信は、彼女のキラキラした目の輝きからも簡単にわかる。
きっと、相当美味しいに違いない。
それならば、早速今日の夕食にいただかなくては。
というのも、翌朝は夜が明けないうちに、次の島へ行くフェリーに乗らなくてはならない。
今夜がラストチャンスなのだ。
夕食を美味しくいただくために、お腹をすかせておかないと...。
そう思って、いつも以上にてくてくと長い距離を歩いた。
まあ、わざわざそんなコトをしなくったって、黙っていてもお腹はすくのだけれど。
お陽さまがエーゲ海の水平線の向こうに隠れたら、待ちに待ったディナータイム。
空はまだ少し明るいけれど、もう21時近く。
お腹はペコペコで、今にも背中とくっつきそう。
目をつけておいた、静かな海辺のタベルナへ。
目と鼻の先に小さな漁港があるので、魚介類の新鮮さは間違いない。
先客のテーブルをちらりと見ると、立派なロブスターがその存在感をアピールしている。
店先の黒板に書かれたおススメは、カラマリのフリットにムール貝の赤ワイン煮に...。
でも、私のオーダーはもう決まっている。
お目当てはただひとつ、お昼にカフェで勧められた◯◯◯だ。
少しばかり、勿体ない気もする。
手を伸ばせば指先が浸かりそうな海辺のタベルナ。
なのに、 "シーフードを食べない" なんて...。
島の空気のように穏やかな物腰のウエイトレスにそれを伝えると、
「すっごく美味しいわよ♪。少しお待ちくださいね☆」
そう言ってニコリと微笑んだ。
そんな彼女の振る舞いとは対照的に、私はまるでこれから絶叫マシーンに乗るかのごとく不安極まりない。
なにしろ...
私はにとっては、これが "初・体・験" だから。
料理が出てくるのを待っているうちに、期待よりも不安の方がはるかに大きくなってきた。
茜色に染まった夕暮れの海を眺めながら気を紛らわせていたけれど、気分はどんどんブルーへと。
そして...
「ハイ、お待ちどうさま☆」
テーブルの上に置かれたのは...
お肉の煮物だ。
小さく切って、恐る恐る口に運んでみる。
...ああ、裏切られた!。
ただし、良い意味で。
嫌な臭いは全く無い。
変なクセがあるんじゃないかと勝手に思い込んでいたけれど、それは杞憂だった。
不安が解消されると、あとはもうただ素直に美味しさを楽しめる。
クリーミーだと聞いていたとおり、とても軟らかい。
ほろほろと繊維が解れて、噛む毎に旨味を感じる。
余計な脂も少なくて、本当に美味しい...
島ヤギのレモンソース煮♪
ただ...
彼等を昼間に道端でよく見かけたので...
食事中に何度も脳裏にその顔や姿が浮かんできてしまった。
ヤギさん、ごめんなさいっ!。
旅先ではその土地のモノをいただく
コレは少し勇気が必要だったけど...
チャレンジして良かった♪
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by photographerasuha
| 2015-10-17 23:33