シエスタ・フォトグラファー ASUHA-明日葉- による、ゆったり・まったり・のんびり癒し系ブログ。ウェブサイト In the town of SIESTA 本編とは少し違ったGraffiti(落書き)を描きます。


by photographerasuha
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事故

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『パーン!、パーン!、パパーーーーーン!!』

コルドバからグラナダへと向かうバスに乗っているときだった。
適度な揺れが心地良く、ちょうどシエスタ時だったこともあって、ゆったりと夢の中を泳いでいたのだけれど...
けたたましいクラクションの音で、いきなり現実の世界へと連れ戻された。

『キキーッ!、キキキーーーーーーーッ!!』

瞼が開いたかどうかさえわからないうちに、今度は急ブレーキ。
自分の意志とは関係なく、前の座席にカラダが押し付けられてしまう。
「これは、ただ事じゃないな」と思ったその瞬間......



それは今まで経験したことの無い衝撃だった。
例えようの無い異質な感覚。
聞いたことの無い鈍い音。

乗客はお互いに顔を見合わせて、前方の様子をうかがった。
フロントガラスの向こうには、広大なオリーブ畑に挟まれた真っ直ぐな一本の道が延びている。
ただそれだけだった。

バスは止まること無く、人が歩くほどでゆっくりと動いている。
高架ではないけれど、一応ここは高速道路。
完全に停車してしまっては、かえって危ないからだろうか。

ゴトンゴトン...と、何かを踏み越えたようだった。
乗客が一斉に後ろの窓に視線を向ける。
ゆっくりと "何か" が遠ざかって行くのが見えた。

それが何かはわからない。
ただ、大きなものがひとつ...
物体と化したものが、道路の上に転がっていた。

幸い、怪我人は出なかった。
ドライバーは何事も無かったようにバスを走らせ、乗客は各々音楽を聴いたり眠ったりと、それまでの続きの時間へ。
私も夢の中へ戻りたかったけれど、どうにも飛び込むことができなかった。

かといって、特にすることはなく、ただぼ~っと車窓から果てしなく広がるオリーブ畑を眺めるしかない。
代わり映えしない風景が延々と続く中、一本の標識が流れて行った。
その黄色い標識には動物のシルエットが描かれていて、短い言葉が添えられていた。

『牛出没、注意』

予定どおりの時刻にグラナダのターミナルに到着。
バスを降りると、誰もがそうしたようにフロントを覗き込んだ。
コルドバで乗車した時とは変わり果てた姿のバンパーやライトがそこにあった。

多分、あれはそうだったのだと思う。
自分ではどうすることもできなかった「事故」だけれど...
ひとつの命が消えた瞬間に居合わせてしまった。

夕空のキャンバスに影絵のように浮かぶアルハンブラ宮殿も...
この日ばかりは何となく悲しげな色に見えた。

制限速度・時速90キロ
自然の中では異常なスピード
運転はくれぐれも気をつけて


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Tracked from dezire_photo.. at 2015-04-15 06:59
タイトル : イスラム建築の最高峰、スペインのイスラム文化の最後の輝き
アルハンブラ宮殿  Alhambra & Generalife  アルハンブラ宮殿は、イベリア半島最後のイスラム教国・ナスル朝が残した宮殿で、ムハンマド1世により建設は始まり、14世紀後半、第8代ムハンマド5世の時に王宮が完成した。グラナダ王国として260年の栄華を極めた難攻不落の城塞は、15世紀末にキリスト教国により陥落した。しかしその美しさゆえに破壊を免れ、その後も増築が繰り返されて、世界有数の宮殿となりました。  アルハンブラ宮殿は、なだらかな丘の頂上部は長さ 740 m 、幅 2...... more
by photographerasuha | 2015-02-10 18:01 | Trackback(1) | Comments(0)