シエスタ・フォトグラファー ASUHA-明日葉- による、ゆったり・まったり・のんびり癒し系ブログ。ウェブサイト In the town of SIESTA 本編とは少し違ったGraffiti(落書き)を描きます。


by photographerasuha
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

黒い扉

f0203836_2319826.jpg


シエスタの島、とある小さな村でクルマを降りた。

飾り気の無い鄙びたその村は、およそ観光客など無縁と思われる。
けれど、私はそんな場所こそ惹かれてしまう。
島本来の生活がそこにあるからだ。

元々見るからに静かそうな村だけど、ちょうどシエスタの時間とあって、ひっそりと静まりかえっていた。
細い路地を歩いてみるけど、聞こえてくるのは自分の足音だけ。
ひとっこひとり、ネコやイヌの姿さえ見えない。

緩やかな傾斜の続く石畳の小道を登って行くと、何処からか水が路面を流れてくる。
「洗濯か何かに使った水かな?」
その水は少し濁っていた。

それにしても、さっきから何かのニオイがする。
子供の頃、醤油工場を営んでいたトモダチの家で嗅いだニオイに似ているような...。
でも、そんな美味しそうな匂いではない。

そもそも、ココはギリシャの島。
それもこんな山間の村に醤油なんてモノは無いし...。
不思議に思いつつ歩を進めると、一軒の家が目に留まった。

扉は開いているけど、中は真っ暗。
なにしろ、外は漆喰塗りの白壁の村。
おまけに雲ひとつ無い快晴で、お陽さまが反射して眩しいので、家の中は余計に暗く見えてしまう。

ふと、足下を見ると、水がチョロチョロと流れている。
さっきの水は、どうやらココが源らしい。
それに、例のニオイも、扉の奥から漂ってきているようだ。

「ヤーサス!(こんにちは!)」
暗闇に向かって、声をかけてみる。
すると、闇の中からぼんやりと人影が近づいてきた。

立派な髭を蓄えた年輩の男性だ。
東洋人など、よほど珍しいのだろう。
怪訝そうな顔でこちらを見ている。

私が日本から来た写真家で、島々の村を訪ねて旅をしていることを伝えると、その硬かった表情も一変。
いつも村で出会う人々と同じ、人懐っこくて穏やかな目がそこにあった。
お互いの警戒感を払拭したところで、早速尋ねてみる。

「あの〜、ココで何か作ってるのですか?...」

---続く---

面白そうな扉があったらノックしてみる
(興味を惹かれるモノには、とりあえず触れてみる)
...というのは私の信条


人気ブログランキングへ
にほんブログ村 写真ブログへ
にほんブログ村
[PR]
トラックバックURL : http://siestablog.exblog.jp/tb/18529515
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by photographerasuha | 2013-02-02 23:33 | Trackback | Comments(0)