シエスタ・フォトグラファー ASUHA-明日葉- による、ゆったり・まったり・のんびり癒し系ブログ。ウェブサイト In the town of SIESTA 本編とは少し違ったGraffiti(落書き)を描きます。


by photographerasuha
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大将

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少し前にこのブログで触れたけど、先日引っ越しをした。

以前住んでいた借家は居心地が良くて、ついつい長居してしまった。
クルマの往来も少ない閑静な住宅地。
近所には何匹かの野良猫がのんびりと暮らしていた。

その中に、ちょっと...いや、かなり風変わりなオス猫がいた。
大柄で寸胴なカラダに大きくて丸い顔。
まるで "ドラえもん" のような、およそ猫らしくない体型だけど、そんなカワイイものでは無い。

なにしろ、鼻のてっぺんから尻尾の先まで、全身ビッシリと傷だらけ。
耳なんてちぎれて殆ど無くなってるし、見るからに歴戦の勇士という風貌。
他の猫たちと戯れることも無く、一匹狼という言葉がピッタリの猫だった。

そんな彼を、私は「大将」と呼んでいた。
もちろん、私が勝手につけたあだ名だ。

大将は外見だけでなく、その行動も特徴的だった。
恋の季節になれば「オォ~ルゥロレェ~イィ~〜〜」とまるで酔っぱらいがクダを巻くような独特の歌声とともに歩き回り、夜になればケンカをけしかけるドラ声が寝静まった町中に響いた。

大将は人間とも距離を置いていて、決して誰にも懐くことは無かった。
路地でふと鉢合わせになっても、こちらを少しばかり睨みつけると、静かに生垣や家の隙間に消えていく。
慌てて走ったりすること無く、威風堂々と。

引っ越しまで一週間を切った頃だろうか。
不思議なコトがあった。

夕方帰宅すると、自宅前の駐車場に停めてあるクルマの前に大将が座っているのが見えた。
いつものようにこちらを少し睨んだあと、立ち上がってクルマの陰へと姿を消した。

いつもなら、これでその姿を見ることは無くなる。
ところが、この日は違った。

大将はクルマをすり抜けて、家の入り口前に先回りして座っていた。
そして、じっと私の顔を見つめている。

5メートル、3メートル...、近づいていっても全く逃げようとはしない。
そして、とうとう1メートル。
触ろうと思えば、手が届くかもしれない。

でも、...そうしなかった。
というより、できなかった。
彼にはそんなオーラがあった。

大将の目の前を通り過ぎ、カンカンと外階段を上る。
階段を上りきり家のドアを開けるまで、彼は目をそらすこと無くじっとこちらを見ていた。
一旦家に入り、すぐにベランダに出てみると、...もうそこに大将の姿は無かった。

触れ合ったことは一度も無いけれど、何年も顔を合わせた仲。
ひょっとしたら、大将には私が引っ越すことがわかっていたのかもしれない。
それで別れの挨拶に来てくれたのかも...

などと思うのは、猫好きの勝手なタワゴトだろうか。

大将、元気で長生きしてネ!

唯一近くで撮れた「大将」
実はこの時、首に大きく深い傷を負っていた
よほど調子が悪かったらしく、ただ眠るばかりだった

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by photographerasuha | 2012-05-17 22:28 | Trackback | Comments(0)